「いい音」って何だろう(LP-2020A+激安オーディオシステム構築)。

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デジタルアンプはD級増幅のアンプだ。正確にはデジタルではない。
「A級B級C級」増幅は、力ずくで増幅していた。だから熱も出た。
D級は違う発想で増幅している。力もいらないし熱も出ない。触ってもつめたい。

そしてIC化されたアンプは、部品点数が少ない。
ボクもかれこれ4年放置した1Wのキットを持っているが、驚くほどの部品数だ。

× × ×

久しぶりにクラシックのCDを購入した後、ハタと気がついた。
私の家には、DVDを再生できる装置も、CDを再生できる機械も無い。

バソコンだってDVDもCDも再生できるのだが、音楽を聴く気はしない。どこで何を食べても腹はふくれるが、満足感とは別の問題である事と同じだ。

そこで電気屋の店頭におもむき、最近のオーディオ事情をとっくり観察してみた。
どの製品にも、「音がいい」「使い勝手がよい」ことを訴求するPOPが揺れている。
しかし、デザインは今ひとつ。試聴用CDを聞いても「いい音」だと感じられない。

仮にちょっとでもオーディオで人生が豊かになるなら、たとえ100万円出しても惜しくない(と言ってみる)。
でも、目の前に並んだコンボでその境地に達することはとてもむずかしそうだ。

しかたなく肩を落として帰宅し、MacBook Proにつないだ安スピーカーで、「津軽海峡冬景色」と「カナダからの手紙」を聞いた。
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そうこうするうち、Amazonで激安中国製デジタルアンプを2つ発見した。
ネット上では、「音がよい」とあちこちに書いてある。しかし、にわかには信じがたい。

2つ買っても、8000円。これは「中国製ラジオ」を購入した8年前の気分に近い。
ダメでもともとだ。すかさず1cklickで購入した。

× × ×

スピーカーは、かれこれ20年以上押し入れに入れっぱなしにしてボロボロのBOSE101VM。
そして、コンポ本体に先だたれたSONYの2組。

インチキくさいアンプに、オンボロスピーカー。
さすがに、胸も高まらず期待もふくらまない。
音が悪くても、途中、ぶっ壊れても不思議ではない。

× × ×

今まで何千回も聞いた曲は、果たして一体どんな音がするのだろうか。
CDプレイヤーが無いので、音源はiTunesのAACファイルならびにMP3ファイルである。
それも、光接続でも何でもない。音声出力端子からジャックで接続しただけだ。
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試聴開始・・・何だかとても澄んだ音がする。
人生は錯覚の連続だ。音源を変えて聞いてみた。

■「空と君のあいだに」のイントロ部分に、「残響音のような音」を初めて聞いた。
■YMOの「Firecracker」に至っては、個々の音がクッキリ分離して聞こえる。
あたかも、塩と砂糖とワインがバラバラに味覚として感じる。そんな聞こえ方だ
■「メンコン」「ブラコン」「チャイコン」「アイネク」を連続再生。
クラシックもクリアに聞こえる。分離しすぎる感はない


× × ×

かれこれ18年ほど前、虎の子10万円をはたいてコンポを買った。
「これでラジカセから卒業だ。さぞや素晴らしい音がするんだろう。高かったし」


高鳴る胸を押さえて早速セッティング、手持ちのCDをかけてみた。
驚くほど平板でくぐもった音がする・・・。ラジカセの方がまだましだ。
光入出力端子を備えた据置型MDを接続してみたが、音は同じだ。

それから幾星霜。
クラシックは5年に1度ぐらいしか聞かず、懐メロばかり聞いているうち、iPodの時代になった。

MP3プレイヤーもiPodも、ボクが所有したどの音響装置よりよい音がする。
初代ウォークマンを聞いた当時の衝撃には及ばないが、全く悪くはない。

オーディオマニアではないが、ボクは「オーディオ」に対して一定の知見を持った。

1. お金を出しても「いい音」は出ない
2.「いい音」は主観によるところがあまりに大きい
3.「オーディオ装置」にお金をかけることは大いなる無駄だ


電気店のオーディオコーナーで、数十万円のアンプやスピーカーを眺めるたび、うさんくさい壷を眺めている気分になった。
その真贋が全く分からないからだ。

勿論、「いい音」がするのかもしれない。しかしそれは「オーディオコーナー」でのこと。
部屋の作りや建材にだって影響を受けるわけだし、「あばらや」での音響はいかなるものか。
そして、高価なオーディオ装置を崇め奉るのは一体いかがなものか。

やがて、iPodに1300曲と落語を詰め込みROCKと懐メロを聞くうち、コンポは動かなくなった。
残ったのは、駆動部品の無いスピーカーのみである。
ああ悲しきスピーカー。淋しき熱帯魚。

× × ×

そして、今。
3時間ばかりエージングしたところ、デジタルアンプの音はますます透明感を増した。
この20W+20Wのアンプは、2,780円。

極めてインチキくさい箱に入っており、保証書も説明書も無い。
しかし音は、今まで所有したどのステレオやラジカセよりよい音がする。

何億円もするというストラディバリウスが、皮肉なことにとてもよく聞こえる。
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※写真下の「鎌ベイアンプ」のメーターは、動きませんでした。やはり。
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Commented by うさじい@山形 at 2012-07-05 19:06 x
所詮世の中そんなもの。おいらは、結婚したとき購入したコンボがまだ動いているし、CDラジオは買ったな。山形放送録音用。
Commented by bunkasaba at 2012-07-05 22:32
>うさじいさん

ものもちいいね〜。昔のもので、壊れてないのはラジオだけだ・・・。
by bunkasaba | 2012-07-05 01:17 | エレクトロニクス | Trackback | Comments(2)