料理は腰に悪い。
下を向いて皿を洗い、右を向いて冷蔵庫を開け、左を向いてフライパンを振る。知らない間に何度も腰をひねり、1時間も台所に立つと痛みが倍加する。
「治るまで、料理はしない」と宣言したが、腰が痛くても、腹は減る。
西友の弁当や惣菜で暮らそうと思ったが、誰かが調理した料理を目の前にすると、急に買う気が失せてしまう。ナスとジャガイモとベーコンを焼いて290円?ポテトサラダ230円?一人では多かったり少なかったり。節約しているわけではないが、作れるものは作って食べた方が良いと思ってしまう。
できあいの食品を黙殺したその日、生地だけ買い求めて、余り物の野菜を乗せてピザを焼いた。市販のピザソースとケチャップを合わせて生地にのせて、周りに焦げないようオリーブオイルを塗る。トマト、ナス、シイタケ、タマネギ、ソーセージを一心不乱にきざんでのせ、ミックスチーズを心ゆくまで贅沢にふりかける。焼き時間は7分が適当。
10分焼いたら、ピザの外周がまるでクッキーのようにカリカリな固くなり、焼きすぎだ。作成時間15分。小麦粉でこねれば安上がりだが、さすがにこの体調では難しい。生地2枚買うと238円と、小麦粉が2キロも買えるほど高くつくが、仕方がない。
余った豚肉で豚汁を作ろうと思ったが、みりんと酒を投入した後で醤油も麺つゆも切らしてしまったことに気がついた。しかたなく、急遽カレールーを入れてみた。料理には計画性と柔軟性が必要だ。まるで無計画だが、みりんと酒が入りカレーでも、まるで違和感がなかった。所要時間20分。材料費200円ぐらい。