初春令月、気淑風和。
2019年 05月 01日
18年前、子供の名前に「令」の文字をつける事に少し抵抗があった。今回話題になった通り、良いという意味があっても「令」は「命令」を連想してきつくないかと考えたのである。
4月1日、その子も大学の入学式を迎えた。式の後、菅官房長官の発表をtwitterのストリーミングで見たのだが、新元号に「令」の字を見つけ、名付けのやり取りを思い出し不思議な気分になった。
出生前10通りも候補を考えたが、どちらかの親から反対があったり、グズグズ考えているうち、役所に届ける期限はついに明日と迫り、切羽詰まった挙句の「令」の採用だった。
今回、「令和」の考案者は中西進氏ではないかと報じられている。奇しくも私は19歳の時、中西氏から古文の教えを受けた。場所は、都内の予備校。
中西氏は当時高校教師で、飄々として、ときおり交えるジョークが冴え渡っていた。海外の視察団を案内した時、最も感動された場所が予備校だった、と話していた事を記憶している。
後年、書店で著作を見つけたが、文化勲章を受章したり元号の発案者となる方だとは思いもしなかった。
奇遇のある「令」。文字通り「よい」時代になる事を祈りたい。