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食!

食べ物と日常生活の徒然。


by bunkasaba

海鮮料理にまみれる。

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学生の頃、宿は粗末だが、安くて海鮮料理がテーブル一杯に並ぶ民宿があると聞いた。


そんな宿がどこを探せば見つかるのだろうと、煙草屋の2階のアパートで、天井の模様を見つめながらぼんやり考えていた。


それから長い間、「埃が舞いカビだらけの安宿」や、「狭くて息苦しいビジネスホテル」には幾度も泊まったが、「夢のような宿」はついぞ見つからなかった。


そして、幾星霜。

そんな宿についに巡り合った。


2年前、オヤジ5人で訪れた西伊豆の民宿。夕食に通された部屋には、座卓いっぱいに魚料理が並んでいた。

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これは何かの間違いなのではないか。おっかなびっくり、厨房に確認に行ったが、ここだという。


まだ動いている伊勢海老、巨大な舟盛り、マグロのカマ、アワビの踊り焼き・・・。どんな宴会でも、こんな大量の海鮮料理は見たことが無い。

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これだ。

これが夢に見た、「あこがれの宿」なのだ。

ショックでしばらく言葉を失っていたが、ビールを飲むのを抑え、必死に刺身やアワビに取り組むオヤジたちなのであった。

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それにしても。

誰にとっても適切な宿を選ぶことは、いつもとても難しい。海鮮てんこ盛りの宿は、民宿ゆえに部屋と風呂の品質はとても低い。日頃、小汚い飲み屋の飲食に慣れたオヤジには天国だが、清潔さを望む女性には、いささか我慢ならぬ場所であろう。


自らの感覚より、ネットの評判を優先する時代にあっては、「万人が満足する宿探し」はますます困難になっている気がする。逆に言えば、ネットで誰もが満足する宿を探すこと自体、ナンセンスだと言える。


かと言って、どんなボロ宿でも、酒と肴があれば満足するわれわれオヤジ達にとっては、まあ、ネットの評判もあまり関係が無いことではあるのだが。



by bunkasaba | 2019-12-30 00:17 | 生活 | Trackback | Comments(0)