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食! 食べ物と日常生活の徒然。

「順調に挫折する」記録。

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「はぁ?今からピアノ買って、どうするんですか?」

ピアノなんてものは、音感が身につく3歳とか4歳ごろから始めるもんですよ、今からできるわけないじゃないですか。と、あわれな耄碌ジジイを見る目で、その男は言った。

昨年秋、電子ピアノを買ったとき、周りの反応はことごとく冷たかった。
ついに気が狂ったか。高価なオブジェだ、モノを置く棚、粗大ごみになるだけじゃないか。

そんなことは、言われる前から、自分でも分かっていた。
これまでの人生、自慢じゃないが「継続できた事」は、何一つなかった。数年前までは。

× × ×


現実は、週末3時半過ぎの馬同様、「思い込み」を裏切る。

年とともに、なぜかモノゴトが継続できるようになってきたのだ。

ここ数年で、取得した資格は4つ。そのうち、3つは会社としての必置資格で、高い支援金が設定されていた。

この勉強にモチベーションはなにもない。昔の参考書が出てきて、もったいないから勉強してみるか。ただそれだけだった。

年だし、すぐ放り出すのではないかと思ったが、通勤時にiPadとiPhoneで勉強し、帰宅後も机に向かった。結局、資格を3つ取得できた。

神仏に祈ったり、特別なサプリメントを飲んだわけではない。科目免除がきいて、かつて夢とあこがれた「第1級総合無線通信士」の試験さえ、電気通信術の実技を残すのみとなった。

昔なら、海外航路の大型船をはじめとして通信士としての需要は高く、あこがれの資格だったが、今や「モールス符号」で通信するのは、自衛隊かアマチュア無線のみ。なぜか、プロの資格試験に「モールス符号の実技試験」が残る。一定の訓練が必要なので、合格率は極めて低い。

この受信練習も、毎日欠かさず1年以上続いた。
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朝、始業前に10分、就寝前に10分。習慣化したら、レポート用紙はどんどん積みあがる。

年とともに、能力が伸びるなんてことは考えにくいが、耄碌したおかげで継続力がついたのかもしれない。あるいは、「何かが損なわれた結果」なのだろうか。

ならば、ピアノだって毎日練習すれば、「月光」の第三楽章は無理でも、簡単な曲ぐらいは弾けるんじゃないか。

人前で華麗な演奏を披露したいわけではない。自分の癒しのために弾く、それでいいんのではないだろうか。

× × ×

昨年10月。
物置部屋と化していた部屋を片付け、ワックスをかけ、電子ピアノを迎え入れた。
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早速、ピアノの入門書を買ってみた。
だが、「ド」がどの位置なのかも分からない。本なんて見たってわかるわけがない。書いてある通りにやってみたが、まるで弾ける気がしない。なにより、続けられる気もしない。

思ったとおり、順調に挫折している。

このまま同じことを繰り返したら、電子ピアノは粗大ごみ行きだ。

× × ×

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そこで、1か月ほど熟思黙想した結果、flowkeyというドイツ製アプリを導入することにした。

初級から中級の簡単なコースがあり、ビデオによる説明のあと、短いフレーズを弾いて練習するようになっている。

自分が弾いた音が正しければ、楽譜が進む。弾けるようになったら次のステップに進む。単純な独学と異なる点は、このフィードバックがある点だ。

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指も動かないし、物覚えも悪い。トシとともに、様々な能力が衰えていることを、目の前につきつけられているようだ。

特に、動画を撮って確認すると、自分の意識と実際の動作の乖離に気がつく。そんなつもりはないのに、手がフリーズしているのだ。

やはり4歳の時から習うべきだったのか。

毎日苦痛を感じながら、ノロノロ・ダラダラ30分ずつピアノに向かっていたが、年末、突然、音が繋がってきた。

それから毎日、セッセと1時間から2時間練習にはげんでいたが、いつの間にかブルグミュラーの練習曲を1曲弾けるようになっていた。春になり、2曲目が弾けるようになった。

年とともに指の間から砂がこぼれるように、あらゆる能力が衰える。やったことがないピアノなど、弾けるわけがないと思っていたので、これには感動してしまった。

× × ×

ピアノが完全に習慣化した、ゴールデンウィーク前。

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調子に乗り、やや難しい曲(summer)の練習を始めてみた。ここで分かったのは、「指がとどかない」という事実。

指が短いせいで、譜面の通り鍵盤を押さえられないのである。

指を広げるように努力してみたが、何週間経っても、弾けるようにはならない。別に全部押さえなくても、曲にはなりそうなのだが・・・。

すっかりやる気を失い、1か月以上、ピアノに向かわない日が続いた。基礎練習が足りていないのだろうと、ハノンという指の練習を始めてみた。だからといって、指は伸びないし、弾けるようにはならない。

まだしつこくピアノの前に座ってみるものの、当初の勢いは消えて、目下順調に挫折中である。

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↑千里の道も一歩から?






















by bunkasaba | 2024-07-31 15:02 | 生活 | Trackback | Comments(0)