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食! 食べ物と日常生活の徒然。

芋煮をつくる。

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山形の田舎では、9月に入ると毎年「芋煮会」が開催された。家でも、学校でも、とにかく人が集まると「芋煮会」である。

「芋煮会」は中学校の行事でもあった。グループ別に必要なものを持ち寄り、学校を上げて河原に向かい、一斉に「いものこ」(里芋)を煮るのだ。

食材はめいめい持ち寄るとしても、鍋や燃料である木材、おたま、水などは分担して持ってくる必要があった。

そのうち、ことさらに人気がないのが、鍋である。

持ってくるのが大変で、使用後は鍋の底がすすけて真っ黒。おそらく、「鍋なんか持っていくな」という親もいたに違いない。だが、鍋さえ持ってくれば他の分担は免じられたから、私は毎年、率先して鍋係になった。黒い鍋を持ち帰っても、我が母は何も言わなかったが、高校生になるとさすが気が引けて、河原で洗って帰った。

・・・ということを思い出すうち、ムショウに芋煮が食べたくなったので、里芋を買い、作ってみた。
里芋大380円、牛肉149g600円、コンニャク200円、ネギ1本118円、ぶなしめじ99円、合計1397円。大出費である。

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芋煮はしょうゆを入れすぎてしまいがちなので、出汁を煮出してから、調味料と芋とコンニャクを投入して10分煮る。

普段、アクあくなんか決して取らないが、今日は邪悪に見えたので、こまかく捨てた。肉・ブナシメジ・ネギを投入し、さらに適当に煮る。10分後、味を見ると里芋はいい感じに煮えていた。

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無計画に作っていたら、大量にできてしまった。材料費は高くついたが、4食は食べ続けられるだろう。1食あたり400円未満。かつてなくいい味で、芋も粘り気があった。

今度は、肉は豚肉にして、大根やニンジン、舞茸を入れ、みそ仕立ての豚汁風にしてみたい。

思えば、中学校の芋煮会で作った芋煮もヤケにうまかった。

河原に石を積んだだけで、今のように着火剤もなかったから、なかなか火がつかない。やっとついたと思えば、地獄の釜のように煮えたぎり、阿鼻叫喚の様相を呈した。調理方法など誰も習っておらず、教師もろくに教えもしなかったが、なぜかちゃんと食べられるものが出来あがっていた。

今にして思えば、私の適当な料理の原点は、「芋煮会」にあったのだなと思う。

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Commented by akitagurasi at 2025-10-15 07:40
妹が東根市に住んでいた時があり、芋煮への県民の熱さを聞いてました
スーパーで鍋の貸し出しがあったり、味付けや具材へのこだわりなど…。牛肉のは
食べたことがないかもしれないです。
よく、お土産に好物の生麩買ってきてもらってました。山形は近くて何だか遠い県です。月山にしか行ったことありません
うちの方にも学校で同じような行事ありました。今度書いてみよう
Commented by bunkasaba at 2025-10-15 08:04
akitagurasi さん

今から思うと、毎週バーベキューをやっているような熱心さでした。
流石に芋煮だけ食べるわけにはいかず、他にもおかずを作ったり酒やカトラリーを用意したり、秋になるとどこの主婦も多忙な様子でした。
今じゃ、バーベキュー道具を流用できるし、トライポッドに鍋を吊るせば、河原に行かなくても芋煮会ができそうだし、手軽になりました。
by bunkasaba | 2025-10-14 23:23 | 食べ物 | Trackback | Comments(2)